シルクロードの思い出

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カテゴリ:コムルの刺繍( 6 )

ウスタズのお宅




                         コムル



                       ウスタズのお宅




  今回はあるウスタズ(師匠)の家に訪ねた時のレポートです。




  ホームステイ先のおばあさんにあるウスタズの家に連れて行かれました。そのウスタズの家はとても大きいようでしたが。ですがウイグルの家庭はどんなに大きな家でも、寒い冬は小さな暖房の効きやすい部屋にみんなが集まり過ごすのが普通です。この頃はまだ3月末の肌寒い日々が続いていました。

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                      最初に通された部屋

  最初に通された部屋はウスタズの家の大きな敷地に似合わない小さ根部屋でした。コムルの特徴である、水色の窓枠と同じ色のペンキで塗られた椅子がマッチしています。端にウスタズの足が見えます。

  さてウスタズはというと、
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  孫の面倒を見ているようです。孫はブシュッキと呼ばれる揺り籠に寝かされ揺れています。どうやらこれはこのコムル地方独特の揺り籠のようですね。

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  その特徴はこの下半身の部分にある引出し。中国で用いられている子供が履く排泄に便利な股割れズボンが早い時代にこのコムルに伝わったのか、コムルの揺り籠は子供が寝た時に下半身がくる部分には穴があいており、穴から落ちた排泄物が引き出しに入る仕組みになっています。おそらくシルクロードのほかの地域でもこのような揺り籠はないと思われます。またここでもコムルの中国文化の影響の大きさを知ることができます。



  さて、ウスタズの家の大きな客間に通されました。

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  やはりウスタズの家だけあって豪華ですね。でもこの部屋は広く、普段使われていない部屋のようで寒かったです。やはり冬はどんなに大きい部屋でも小さな暖かい部屋で過ごすものなんでしょうね。コムルの文化博物館で見たような見せるための布団置場がありました。ウスタズの作品がたくさん飾られています。


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                      ウスタズの刺繍


  これがウスタズの刺繍です。ウスタズの刺繍はボタンの刺繍が多いようです。ウスタズは刺繍で国からいろいろな賞をもらっているようでした。

  でもこのウスタズの家に訪れた時、ウスタズの作品よりもウスタズのお宅に注目してしましました。寒いこの季節はどんなに大きな家でも、みな小さな暖房の効いた部屋で過ごすようです。





  いろいろな家を訪れることで各地方のウイグルの人々の生活への理解が深まります。ホームステイ先のおばあさん、またその時に訪れた家の方々に本当に感謝しています♪






  
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by alphalpha0118 | 2009-02-07 23:35 | コムルの刺繍

コムルの文化研究所






                          コムル



                      コムルの文化研究所





              今回はコムルの文化研究所に行ってみましょう♪




  私がコムルの文化に興味があるということをホームステイ先のおばあさんが研究所の人に話してくれると、研究所の人たちは機嫌よく、中を案内してくれました。




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                       コムル刺繍の靴

  黒いベルベッドの生地に刺繍がよく映えています。はじめはこのような生活の中で使う伝統的なものを見せてくれました。




   コムルの伝統的な女性の衣装、
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                 研究所のお姉さんが着てくれました。

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                       刺繍が見事です。




  さて、これは何でしょう?

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      答えは、壁にかけられる針山のようです。ピンク色でかわいいですよね♪




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        研究所の中にはコムルの衣装を着たマネキンたちが並んでいました。



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                    マネキンの履いているブーツ

    ブーツにもここまで刺繍がしてあります。フォークロアな雰囲気が漂いますよね。







 さて、衣類の次はコムルの家屋の内装についてです。

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                 コムルの装飾重視の布団置場

 ウイグルの家庭ではこのように布団や枕を飾りにします。サテン地がきらきら光ってとても豪華ですよね。





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                コムルの暖炉と造りつけのカップボード 

  さすがにここまで来ると普通の家庭にはなさそうですね。昔の富裕層の家にはあったかも知れませんが。             


  それにしてもこのような造りの豪華な収納はシルクロードのほかの地域にもみられますが、色を塗らず、このように木材本来の活かしたニスを塗ったような感じのものは見たことがなかったので、これはコムル文化の特徴的な収納家具なのでしょう。




 おや、カップボードの横にこんなものが…、

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                      何でしょうか?



  聞いてみると、どうやらお茶の葉を入れるものだそうです。とても鮮やかなお茶袋です。





  ですが、この研究所、展示がしてあるにも関わらず、とても人気のない所にあり、どうやら観光スポットにはなっていないようです。もったいない話です。こんな地元民でも一部の人しか知らないところにわざわざ連れて来てくれたホームステイ先のおばあさん、突然訪ねてきたこんな外国人に親切に説明してくれた研究所のお二人(画像に載せてる人と、もう一人男性がいてその人が田村亮にそっくりで、気になって仕方がなかったのです。)、本当にありがとうございました。
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by alphalpha0118 | 2009-02-06 23:50 | コムルの刺繍

コムルの住宅





                        コムル



                      コムルの住宅




 今回はホームステイ先のおばあちさんに連れて行ってもらった刺繍仲間の家が綺麗で印象的だったのでレポートします。



  さて、コムルの家の門ですが、
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                このように一見殺風景な門ですが、

 よく見てみると、

   
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                 ハートや花の装飾があります。


  このようなさりげない細工がこのシルクロードではよく見られます。特にコムルではこのような青い色の門が多いようです。




  さて、門から中に入ると、
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                      こんな扉が。


  シルクロードの少し古い建具によく見られるもの木造のものです。今では大抵改築の際に対象とならない物置小屋によく見られる扉です。





  さあ、家の中に入ってみましょう、

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  中に入ってすぐは土間ならぬレンガ間です。おばあさんの刺繍仲間が刺繍をしています。



  部屋の奥はというと、 

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  このように座敷になっています。部屋は土間、座敷合わせて8,9帖ほどでしょうか。



  座敷側の壁を見てみますと、

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  このように壁に穴があいてあり、そこに布団が収納され、上には枕が置いてあります。
このような造りは甘粛地方にも見られます。





  部屋の真ん中には、
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  石炭ストーブが置いてありました。このときは3月末でしたが、それでもまだ寒い日が続いていたのでこの過程ではまだ石炭ストーブを使っていて、とても温かかったです。

 
 そうそう、このお爺さんの帽子、

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  白い糸の部分が多い綺麗な刺繍です。この白い糸が多く使われている部分にも中国的な要素が見られます。濃い紫のベロア地に白い刺繍糸がよく映えています。




  おそらくこれがコムルのごく一般的な住宅のようです。このコムルもそうですが、またその東のトルファン地域には中国の華北地方の建築様式がみられます。現在の中国の華北地方の生活様式は漢文化の影響を受けた北方遊牧民族が作り上げた部分もあるので、このコムル地方もそれに含まれるのかも知れませんね。


 今回はコムルの住宅についてのレポートでした♪
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by alphalpha0118 | 2009-02-06 08:54 | コムルの刺繍

ウスタズの刺繍




                          コムル


                        ウスタズの刺繍






  ウスタズ、ウイグル語で師匠という意味です。今回はコムル刺繍のウスタズの刺繍を見せてもらいに行って来ました。



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                     コムル刺繍のウスタズ 


         ウスタズの家にはたくさんの刺繍されたものであふれていました。





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          でもこれって、…どこの部分に使う刺繍なんでしょう?




  ウスタズが何やら作業をしています。

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   刺繍をサテン地に張り付けていますね、



  あ、そうか!

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   どうやら枕の側面の装飾になるそうです。華やかな枕ですね。


ウイグル人は布団や枕を日本のように押入れに押し込めず、側面を見せて部屋のインテリアにする文化があるのですが、コムルの枕ほど華やかな装飾は他の地域では見たことがありません。

 でもそういえば、日本でも私の祖父母の家で布団部屋に布団を見せるように扇形の穴が空いていたのを思い出しました。日本にでも“寝具を見せる”文化はあるようですね。




  また興味深いものを目にしました。
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  どうやら中国人の子供がかぶる帽子に似ていますが、コムルの子供もこれを同じように被るのでしょうか、

 おや、
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  ここにも刺繍があります。本当に見事な刺繍ですね。





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                       枕の側面




  本当にウスタズの刺繍は見事です。普通のコムルの刺繍職人なら刺繍糸を二本使って刺繍するのに、このウスタズは一本しか使わないため繊細な仕上がりになるのです。また技術も素晴らしいですが、デザインも独特で色合いも綺麗です。花は蓮や梅、牡丹などの中国人好みのものもあり、柘榴の実のようなウイグル人が好むもの、植物のツルが伸びたようなイスラム文化の唐草模様のような表現もあり、このコムルが如何に中国文化とウイグル、イスラム文化とが融合した文化を育んで来たかを知ることができます。


  このときにウスタズの刺繍を見て、コムル刺繍だけでなく、その背景にあるコムルの文化そのものに、より興味が出てきました。



  ですが、この刺繍だけでも十分にコムルの文化の融合が様子がうかがえると思います。コムル刺繍はコムル文化の収縮図のような気がします。
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by alphalpha0118 | 2009-02-06 00:56 | コムルの刺繍

刺繍仲間の集う





                         コムル


                       刺繍仲間が集う





ホームステイ先のおばあさんに連れられ、ある刺繍仲間の家にやって来ました。

  
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  水色の窓枠、テレビの上のコムルならではの帽子、どこにでもあるように見えて、どれをとってもコムルの家の風景です。





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  刺繍の出来栄えについて話し合っているようです。





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  ホームステイ先のおばあさんに「あんたも何か記念に買ったら?」と押し売りされてしまいました。もともとひとつは欲しかったので、どれにしようか考えました。





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  これなんかピンクと水色の花の刺繍が可愛いですけど…、

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  少し迷いましたが、紫のベロアにピンクの大きな花の刺繍のものにしました。帽子を固くしている糊が固まりすぎて少し硬いのでこの家のおじいさんが石炭ストーブの上で溶かしてくれています。石炭ストーブはもうこのときは3月の終りなので使っていなかったのですが、ストーブは熱が伝わりやすいため日光にあたるだけでも暖かくなっているようです。





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                   ストーブの上に放置された帽子
  
  少し変な光景ですね。しばらくこのままの状態でした。この間おばあさんと刺繍仲間たちが仲良く話していました。私はこのころ少しずつウイグル語を話し始めた時期だったので、ひたすらコムル方言の早い口調に戸惑っていました。コムル人の気質は江戸っ子のようにせっかちで早口です。




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                       おじいさんと孫

  この家のおじいさんが孫に帽子を被せています。

  コムルの人の顔は混血のウイグル族の中でもこの子供のように黄色人種が強く、同じウイグル人でも「コムル人は漢族と見分けがつかない。」というほどです。
 現代のウイグル族は西へ行けばいくほど白人種との混血が目立ちますが、唐代に勢力を誇った遊牧民族として知られるウイグルはコムルの人のような顔をしていたのではないかとイメージしたりもします。


  それにしてもコムルの人の話し方は早口でした。とても聞き取れません。その中でもホームステイ先の勝気なおばあさんは典型的なコムルのご婦人だったのではないかと思います。十分コムルならではの体験が出来たのではと思うと嬉しい限りです。



 
 
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by alphalpha0118 | 2009-02-05 01:37 | コムルの刺繍

ホームステイ先




                          コムル


                        ホームステイ先



  コムルでは滞在中1週間はある老夫婦の家にホームステイさせてもらいました

   
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                     門の前に立つご主人


  別に前もってその老夫婦の家に泊まらせてもらえるように頼んでいたわけではありません。

 あてもなくコムルのまちについたばかりの私が町はずれをうろうろしているところに素敵な刺繍をした帽子を被っている老夫婦がいたので、もともとほかの地域では見られないコムルの刺繍に興味があった私は私が「この刺繍きれいですね!他のまちでは見ないものですね!」と声をかけると、少し勝気な感じのおばあさんが「あんたうちに来てお茶でもしてく?私刺繍やってんのよ、いろいろ見せてあげるよ!」と言ってくれたので、遠慮なく家に寄せてもらったあげく、1週間も泊まらせてもらったのです。

 さすがホスピタリティ精神に満ちたシルクロードの人々です。旅人にはとても親切です。

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                         勝気なおばあさん




  そうそう老夫婦がどんな帽子を被っていたかというと…、

  
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                        前から


          前からではよくわからないので後ろ側を見せてもらいました


 
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  深緑のベロア生地に綺麗なピンクの花の刺繍です。コムルの人の帽子には一足先に春が来ているようです。



  さて、おばあさんの帽子はというと…

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  紺のベロア生地に赤やピンクの花、花を立体的に描くために黄色い糸を花びらの根元の部分にうまく使っています。淵は豪華に金色のサテン生地を使っていて、手前には柘榴石のような石をつけています。おばあさん、ちょっと派手目が好きなようです。




  さぁ、そんなおばあさんの手先を見ると、
   
 
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                      こんなものが!


            刺繍ができてから帽子を組み立てるようです。





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  それにしてもおばあさん、だいぶ目が疲れた感じです。刺繍というのは根気のいる手作業で、とても神経を使うようです。横に座っているのは隣に住んでいる末っ子の中学1年生の女の子。彼女もおばあさんの刺繍を見に来たようでした。




   そうそう、興味深いものを目にしました。

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                  刺繍の台紙に使われていた本 

 ローマ字で書かれた本のようですが…、よく見たらひと昔の前のウイグル文字で書かれた中国語の本のようです。



 ウイグル語は今ではアラビア文字を改良したものを使われていますが、これは1982年から使われ始めた文字です。それまではローマ文字を使った表記の文字を使っていました。

 20世紀初頭にウイグル語で発行された新聞もローマ字表記のものだったようで、ローマ字表記のウイグル語は近代化以降長く使われていたようです。ですから今の40代より年配の人々は、ローマ字表記のウイグル語で字を書く人が多かったりします。



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                     家の庭から見た門の外

  思い入れのある風景です。門によって二つに切りとられた青い空、家の門の向こうにはモスクが見えました。この写真を見ると、春の訪れを待つコムルの郊外の静かなまちの様子が今も目に浮かびます。



 
  こんな感じで、おばあさんの刺繍をする様子を見ながら老夫婦のもとに1週間も泊まらせていただきました。こんな見ず知らずの外国人の私を1週間も泊まらせてくれました。
 どうやらこの老夫婦の二人の子供たちも外国に勉強に行ってるという事でした。「あんたみたいな外国から来た人によくしてあげたら、私たちの子供たちも外国でそこの人に良くしてもらえるかもしれないからね、」と言って私を受け入れてくれました。本当に有難かったです。


 シルクロードにはこの夫婦のようにホスピタリティ精神にあふれた人が本当に多いのです。
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by alphalpha0118 | 2009-02-04 15:33 | コムルの刺繍

女の子の目から見たシルクロード


by alphalpha0118
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